いつでも本気で徐行運転。
この冬の初雪が降ってます。
今朝起きた時は気温もそんなに低く無く、雨だったのですが、am9:30過ぎから牡丹雪がぼんぼん落ちて来て、今(am11:20)は薄っすら白く積っています。
休みの日、室内から降る雪を眺めるのはとても好き(夜なら尚良し)。豪雪で大変な地帯の方々には申し訳ないんですが(汗)
そんな2013年初カズケンSS。急いで書いたから、ちょっとやっつけですが。
付き合っていて同棲してます(笑)
今朝起きた時は気温もそんなに低く無く、雨だったのですが、am9:30過ぎから牡丹雪がぼんぼん落ちて来て、今(am11:20)は薄っすら白く積っています。
休みの日、室内から降る雪を眺めるのはとても好き(夜なら尚良し)。豪雪で大変な地帯の方々には申し訳ないんですが(汗)
そんな2013年初カズケンSS。急いで書いたから、ちょっとやっつけですが。
付き合っていて同棲してます(笑)
「わぁ!!」
「・・・健二さん?」
リビングから響いて来た健二の声に、佳主馬は夕食の仕込みの為に鍋を掻き混ぜていた手を止めて振り返った。
その健二は、カーテンの向こう側で窓ガラスに張り付いている。
何をしているのかと訝しげに眉を寄せて、佳主馬はガスの火を止めて健二の背後から窓を覗き込む。
「どうしたの健二さん・・・あ、雪?」
「うん、今年の初雪だよ佳主馬君」
健二が嬉しそうに佳主馬を振り仰ぐ。
まだ日中の窓の向こうでは、いつから降り始めたのか真っ白い雪が鈍色の空から舞い落ちている。
昨夜の天気予報では、低気圧の影響で今日は荒れ模様、太平洋側でも各地で雪のマークが付いていた。
しかし朝は然程冷え込みも厳しく無く、起きた時は外の車が通る度水音を響かせて雨が降っていたので、二人が暮らすアパートが有るこの都心では精々霙程度だと思っていたのだが。
「凄いね牡丹雪。あ、向かいの屋根がもう白くなってる」
硝子に顔をくっつけて佳主馬が喋った息で、硝子が一瞬白く曇った。
「東京で1月に積る程雪が降るの、珍しいよね」
「うん、僕が子供の頃は都心でももっと降る量は多かった気がするんだけど」
東京でも郊外では意外と雪深いのだが、都心ではうっすら積っただけでもニュースになる。
「佳主馬君これ、積るかなぁ」
「うーん雪が積もるのは個人的には楽しみだけど、都心で雪降ると電車遅れたりするのがちょっと、ね」
健二さん、絶対雪で滑って転びそうだしと佳主馬が言えば、そんなことないよーと健二が反論するが、怪しい所だ。
上田の冬に一度雪に嵌って、シャベルで掘り起こされた事があるから尚更。
呑気に笑う健二が硝子に付いている両手を佳主馬が取れば、案の定すっかり指先が冷えている。
「こんな冷たくなって。もう良いでしょ?リビング戻ろう」
「えぇ~~?もうちょっと~」
室内に促せば、健二は背後の佳主馬の胸に寄り掛かる。珍しくストレートに甘える仕草を見せる健二に、佳主馬はパパリと瞬いた。腕の中の細い体を緩く抱き込む。
「健二さん、そんな雪好きなの?」
「ん~。雪と言うか雪が降っているのを見てるのが好き、なのかな?」
上田に行った時はいつも雪が降った後で、滞在中降った事は無かった。
健二が佳主馬の指に自分の指を絡ませれば、暖かい大きな手が優しく握り返してくれる。その暖かさに促されるように、唇から言葉が零れた。
「・・・昔。夜中に帰って来ない両親を待って窓を覗いたら、雪が降ってたんだ」
無言のまま、更に深く抱き締められる。
佳主馬の体温に、健二はうっとりと目を細めた。
雪は静かに降り積もる。
「・・・真っ暗な中、街灯に照らされた所にだけ、スポットライトの中に後から後から雪が舞い落ちて来て」
その雪片の舞う不規則な輪舞の法則を見付けようと、いつしか待っていた両親の事も忘れ食い入るように窓の外を眺めていた。
「寒さも寂しさも感じなかった。雪を見ているのは楽しかった。そんな事より、舞い散る雪の軌跡を追って数式を組み立てる方が魅力的だった」
健二の肩口に佳主馬の顎が乗る。鼻先が健二の髪に潜り込んで、くすぐったさに肩を竦めた。抱き締める手は益々強くなる。
「そんな時は大抵、翌日風邪をひいて寝飲んじゃったんだけどね」
熱でボンヤリとした頭でゼイゼイと荒い息を付いているうちに、追った筈の数式は霧散してしまい、誰もいない部屋で布団にくるまって時を過ごした。それでも、雪が降れば健二は飽く事無く燦々と降り続く雪を眺めていた。
「・・・中学上がった頃には、ネットも始めたし流石にやらなくなったけどね」
なんか、久し振りに雪降ってるの見たら思い出しちゃった。
苦笑して話を締めくくれば、佳主馬がギュウッと腕に力を込めて来た。
「か、佳主馬くん?!・・・ちょ、く苦し・・・?!」
「あ~~~も~~~っ。健二さんって、ホント・・・」
むぎゅぎゅーっと更に抱き締める腕に容赦のない力が入って、健二がギブアップを申し出ようとした時。佳主馬が漏らした科白にピタリと動きを止めた。
「雪が降ったて降らなくったて、健二さんはもう独りじゃ無いでしょう?俺が居るんだから」
「・・・佳主馬君」
「雪が降ったなら、二人で一緒に見れば良いんだよ」
見上げた佳主馬の顔は優しく微笑んでいる。
「雪を見る健二さんを、俺がこうして抱き締めててあげる」
それなら寒くも寂しくも無いでしょう?
当たり前のように言われて、健二ははんなりと微笑した。
「・・・一緒に見ていたいなって思ったんだ」
だから佳主馬に甘えてみた。
けれど、佳主馬の腕の中で眺める雪は数式の悦ではなく、温もりの幸を健二に齎した。
グリグリと後頭部を広い胸に押し付ければ、健二さんハヤテみたいだと笑われる。
健二はそのままクルリと反転して、背中に両腕を回してぴったりくっ付く。
長い指に髪を梳かれる。ハヤテではないが、毛づくろいされている気分だ。
「もう、雪は良いの?」
佳主馬の声が完全に甘やかすものになっている。
・・・健二さん?蜂蜜の様に甘く滴るような蠱惑な声を耳に吹き込まれ、背筋をあやすように撫で下ろされて心と体に小さな火が灯った。
「うん・・・」
雪はこれからも降る。その時はまた佳主馬に背中を預けて飽くまで眺めれば良い。
暖かい、安心する心音を肌で感じながら。
二人だけの部屋の中で。
リビングのカーテンが引かれ、外界を閉ざす。
後はただ、音も無く深々と世界に雪が舞い落ちていた。
終り
これ、佳主馬バージョンもあるんですが、来週のイベントのペーパーにでもしようかな。
ちょっと違う方向に書きたかったんですが、「寒いもん、いちゃいちゃさせたいじゃん」という内心の声に負けました。
現在、外は粉雪が吹雪いてます・・・これ書き上げて(13:40位)外見たら、更に積ってるし。
住んでる場所があまり雪が降らない(降るとニュースで駅前がTV中継される)ので、雪の降るのを見てるのがホントに好きなのでワクワクします。雪で大変な所の方には申し訳ないんですが。
というか、成人式の日だっけ今日?晴れ着の女性は大変だなあ。電線にとまってる鳩が寒そう。
さて、今から昼食(苦笑)
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ついったもぴくしぶもしない無精者。
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